12時間50キロ歩破へのチャレンジ

 「できたやんか!」
 ゴールした社員は顔をくしゃくしゃにして子供のように大泣きし、抱き合って喜びました。心から湧き出る喜びの涙・・・。

 わが社では昨年から、社員教育の一環として毎年4月に開催される50キロを12時間で歩くという大会に参加しています。50キロという距離は素人にとっては並大抵でなく、靴摺れをしたり、筋肉が硬直して足が動かなくなったりします。その道程では、いろいろなことが起こります。そこにはまさに人生における喜怒哀楽というドラマが展開されます。そういう意味では、「人生の縮図」といってもいいかもしれません。歩き方にも、その人となりが浮かび上がってくるからです。すたすたと一人先に行ってしまう人、もうだめだと簡単に投げ出してしまう人、共に励まし合いながら歩いていく人・・・。そうしたいろいろな人生に似た場面が展開されます。

 昨年、社員と共に参加したとき、ほとんどの社員が完歩できませんでした。そのことを主催者のある経営者の方に話したら、「これは厳しい意見かもしれませんが、それがあなたの会社の姿です」という返事が返ってきました。私は胸を突き抜かれるような思いでした。社員への思いやりが足らないのか、仲間意識が欠落しているのか、どうにか来年までに思い当たる課題をクリアして、もう一度、社員と共に50キロ歩破に臨もうと決意しました。

 50キロ歩破に参加することを社員に告げると「50キロ歩破なんて、とても無理ですよ」「私は、もう歳だから25キロがやっとです」「仕事が忙しくて」「練習していないから」「腰痛があるから」。また、大会が近づいてくると、「急ぎの仕事が入りそうです」「体調が悪いので」など、できない理由ばかりを並べて逃げようとする社員たちの言い訳が始まりました。私は、諦めずに一人ひとりを励まし、時には叱ることによって何とか当日にこぎつけました。「やればできる!」「一人ではけっして歩ききれない距離も、仲間と一緒なら歩ききれる」、そう励まして歩き始めました。

 その結果、80パーセントの仲間が完歩してくれました。年配者から最年少は9歳の息子まで、ほとんどが完歩できました。「やっぱり、やればできるんだ!」最高の瞬間。

 歩ききった社員も、途中で断念した社員も、それぞれに深く心に感じるものがあったようです。年齢に関係なく、やりきることの素晴らしさを体感してくれたようです。
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by humanforest | 2006-05-14 07:31 | 人間の森
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